本日のローズンゲンの御言葉です。
御言葉はあなたのごく近くにあり、あなたの口と心にあるのだから、それを行うことができる。申命記30:14
群衆は、「では、わたしたちはどうすればよいのですか」と尋ねた。
ヨハネは、「下着を二枚持っている者は、一枚も持たない者に分けてやれ。食べ物を持っている者も同じようにせよ」と答えた。ルカ3:10-11
あるカウンセラーの先生がこんな話をしてくれました。
「カウンセリングの大切なイメージとして、『黄金の階段』というイメージがある。
その階段は私たちを光輝く世界へと導いてくれる。
だけど、忘れてはいけないことは、その階段は一段一段をきちんと踏みしめて登らなければならないことだ。
一段一段を踏みしめることを忘れて、二段抜かしや三段抜かしをして飛び越えていこうとすると、すぐに足元をすくわれてしまう。
場合によっては転んで怪我をしたり、階段を転げ落ちて元いたところにもどってしまうことなんかもある。
だから、時間がかかっても、着実に一段一段を登っていくことが大切なんだよ。
それはカウンセリングのイメージとして、とても大切なんだ。
私たちは何か悩みごとがある時、すぐにそれを解決しようとしてしまう。
結果、階段を二段抜かしするかのように焦ったり、あるいは一階から二階にジャンプしてたどり着こうとしていることがある。でも、そんなふうにしてもうまくいかない。
そんなふうに、焦って、無理して、解決しようとすることで、失敗してしまうことがしょっちゅうなんだ。
大切なことは一歩一歩今自分のできることを踏みしめて、一段一段階段を登るイメージだ。
そして、そんなふうに一段一段登っていることは中々、変化に乏しいし、自分一人だと『本当にこのままで大丈夫だろうか』『解決に向かっているだろうか』と不安になってしまうこともある。
そんな中、傍らにいる人が『大丈夫だよ。着実に階段を登っているよ』と教え、励ましてあげることが大切なんだよ。」 多くのことを教えられた言葉です。
本日の箇所には、次のように記されています。
「群衆は、『では、わたしたちはどうすればよいのですか』と尋ねた。ヨハネは、『下着を二枚持っている者は、一枚も持たない者に分けてやれ。食べ物を持っている者も同じようにせよ』と答えた。」
本日の御言葉は、バプテスマのヨハネとイスラエルの人々との対話です。当時のイスラエルは、危機的状況にありました。バプテスマのヨハネは、そんなイスラエルの人々に悔い改めを迫ったのです。
すると、人々はバプテスマのヨハネに対して、「では、わたしたちはどうすればよいのですか」と尋ねました。
これに対して、バプテスマのヨハネが語ったのが、「下着を二枚持っている者は、一枚も持たない者に分けてやれ。食べ物を持っている者も同じようにせよ」ということでした。
人々がそれぞれ自分たちがまずできることから始めていきなさいということを語ったのです。
本日の御言葉を読みながら、先ほどの「黄金の階段」の話を思い起こしました。
そして、思ったことは、私たちの目の前の問題の解決というのは、いつも私たちの足もとの歩みから始まっていくのだなということでした。
私たちが今、できる一歩一歩のことを行なっていく…。そのことの積み重ねの中で階段を一段一段登っていくように、解決に向かっていくのです。自分を振り返ってみる時、ついつい足元を見失い、焦ったり、急いだり、無理して答えを出そうとしたり、解決しようとしてしまうことがあります。
そんな中、一つ一つのことを神様に委ねながら、今、私たちができることに丁寧に応えるようにして、一歩一歩歩んでいきたいと思うのです。
(鈴木牧人)