「真理はあなたたちを自由にする」
ヨハネ8:31-32
先日、普天間教会の神谷武宏牧師からお話を聞きました。神谷牧師が園長を勤めておられる普天間教会の付属幼稚園では、昨年の12月7日、突然、屋根の上に米軍のヘリコプターの部品が落ちてきました。大変危険な事故でした。現状証拠からも多くの目撃証言からも米軍ヘリから落ちたということは明らかでした。その後、ヘリの窓枠が普天間第二小学校に落下するという事故が起こりました。米軍ヘリに関する様々な事故が相次ぐ中で、普天間教会の付属幼稚園では、父母の皆さんから声が挙がり、この問題が解明し、改善策がはっきりするまで、普天間教会上空をヘリが飛ばないようにしてもらいたいとの要望を、署名活動でするようになりました。姪浜教会でもその署名活動に賛同しましたが、全国からたくさんの署名が集まったそうです。神谷牧師はその活動についての報告をしながら、幼稚園のお母さんがたの働きについて「本当にすごい」とお話しになっていました。その署名活動の中で、あるお母さんが神谷牧師にこんなことを言ったそうです。
「これまで、米軍の基地のことに対して、自分の中では、基地があることが当たり前だし、変わるはずもないと思っていました。これは受け入れなければいけないものなんだ、こういう問題に黙っていなければいけないんだと思っていました。でも、今回の事故を通し、そうではないんだと思いました。そして、ちゃんと『自分たちはこう思う』ということを言っていいんだ、声をあげていいんだ、と思いました。そういう思いにさせられる中で、自分の中で勝手に自分を縛りつけていた魔法が解けていったんです。」
印象的なお話でした。私たちも同じようなことがあるんじゃないかと思います。私たちも、いつの間にか、自分の中で、「これはこういうものなんだ」「ただただ受け入れなければいけないんだ」「黙るしかないんだ」「変わるはずないんだ」そんなふうに思いこんでしまっていることがないだろうかと思います。そのようにして、いつの間にか、魔法にかかっていることがないでしょうか。
今の時代、本当に様々なことがあります。色々と難しい複雑な問題があります。そんなことに囲まれながら、私たちは色々が分からなくなってしまいそうになったり、よく分からないものに惑わされそうになってしまったりすることがあるんじゃないかと思います。気づかないうちに魔法にかかってしまっているような私たちがいるかも知れないと思うのです。自分自身、そんなふうになってしまっていないだろうかと思いながら、本日の御言葉が心に迫ってきました。
「わたしの言葉にとどまるならば、あなたたちは本当にわたしの弟子である。あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。」(ヨハネ8:31-32)
この御言葉にあるように、私たちがイエス・キリストに出会い、真理に捕らえられていく時、私たちは自由にされていきます。そして、そのようにして私たちはこの時代にあって私たちを縛り付けている様々な魔法から解放されていくということがあるのだと思うのです。