本日のローズンゲンの御言葉です。
その上に主の霊がとどまる。知恵と識別の霊/思慮と勇気の霊/主を知り、畏れ敬う霊。イザヤ11:2

群衆は皆、何とかしてイエスに触れようとした。イエスから力が出て、すべての人の病気をいやしていたからである。ルカ6:19

アメリカの神学者で倫理学者であるラインホルド・ニーバー(1892-1971)の有名な祈りがあります。
「神よ、/変えることのできるものについて、/それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、/それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、/変えることのできるものと、変えることのできないものとを、/識別する知恵を与えたまえ。 」 ラインホルド・ニーバー(大木英夫 訳)
この祈りは、もともとニーバーがマサチューセッツ州西部の山村の小さな教会で1943年の夏に説教した時の祈りだと言われています。礼拝の後、ハワード・チャンドラー・ロビンズという人が、この祈りの原稿をもらいました。ロビンズは、この時、祈りを集めた小冊子を編集発行していました。
そこで、ロビンズは翌年、自身が編集した祈りの本の中にこの祈りの言葉を加えて出版したのです。その時は、ニーバーの名は付されてはいなかったと言われています。
第二次世界大戦の中、この祈りが書かれたカードが兵士たちに配られました。
戦後になると、今度はアルコール依存症患者の断酒会のメンバーの目に留まり、その断酒会のモットーとして採用されました。その後、世界中に広まり、現在も多くの人の心を捕えている祈りの言葉となりました。
本日の箇所には、次のように記されています。
「その上に主の霊がとどまる。知恵と識別の霊/思慮と勇気の霊/主を知り、畏れ敬う霊。」
ニ―バーの祈りには「知恵」と「識別」、そして、「勇気」を主に求める言葉が記されています。
それゆえ、本日の御言葉を読みながら、ニ―バーの祈りを思い出しました。
今の時代というのは、ますます、「知恵」と「識別」、そして、「思慮」と「勇気」が求められるようになっているのではないでしょうか。日常の身近な出来事の中でも、私たちを取り囲む社会全体の中でも、知恵をもって行動することの大切さを思いますし、事柄をきちんと見分けることの大切さを思います。また、深い思慮でもって物事を見ていかないと大切なものを見過ごしてしまうように思いますし、時に勇気をもって踏み出さないといけないと思わされることもあります。
そんな中、ますます、ニーバーの祈りが私たちに問われている場面があるのではないかと思いますし、「知恵」「識別」「思慮」「勇気」を必要としている私たちがいるのではないかと思うのです。
そんな中、本日の御言葉を読みながら思ったのは、私たちが「知恵」「識別」「思慮」「勇気」に生かされていくためにも、主を知り、恐れ敬うことが大切なんじゃないだろうかということでした。
そのように、主を見上げながら、主に祈りつつ聞こうとしていく中で、私たちは時々に必要な「知恵」「識別」「思慮」「勇気」が与えられ、私たちの一つ一つの歩みは定まっていくのではないかと思うのです。 (鈴木牧人)

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