本日のローズンゲンの御言葉です。
「神は時を移し、季節を変え/王を退け、王を立て/知者に知恵を、識者に知識を与えられる。」ダニエル2:21
「全能者である神、主よ、/あなたの業は偉大で、/驚くべきもの。諸国の民の王よ、/あなたの道は正しく、また、真実なもの。主よ、だれがあなたの名を畏れず、/たたえずにおられましょうか。」黙示録15:3-4
先日、アメリカの大統領選挙を民主党大統領候補のジョー・バイデンが制しました。しかしながら、トランプ大統領は、まだ敗北を認めていません。そんな中、トランプ大統領はツイッターで選挙は民主党とニュースメディアによって「不正操作され」と主張し続けています。ただ不正ということの根拠は全く示しておらず、次期大統領への移行が混乱しています。そんな中、元ファーストレディーであるミシェル・オバマさんがインスタグラムで次のような投稿をしました。
「今週、私は4年前のことをいろいろと振り返りました。(ヒラリー)クリントンは今年の選挙よりずっと僅差で敗れるという辛い敗北に対処しました。私は苦しみ落胆しましたが、票が集計され、ドナルド・トランプが勝利しました。それがアメリカ国民の声だったのです。大統領としての大きな責任の一つは人々の声を聞くことです。ですから夫と私はスタッフに、ジョージとローラ・ブッシュが私たちにしてくれたのと同じことをするよう指示しました。それは敬意を持ってスムーズに政権移行すること。それがアメリカの民主主義の特徴の一つです。私たちは次期大統領チームの人々を招き、彼らのために詳細なメモを用意して過去8年間に私たちが学んだことを伝えました。正直に言って、私にとってどれひとつ楽なことはありませんでした。ドナルド・トランプは私の夫について人種差別的な嘘を拡散し家族を危険に晒しました。私はそれを許すことができませんでした。でも国のために、私は自分の怒りをひとまず傍に置き、強く、大人にならなければならないとわかっていました。だから私はメラニア・トランプをホワイトハウスに歓迎して自分の経験を話し、ファーストレディとしてセキュリティーが厳しくなることからホワイトハウスで子育てすることについてまで、彼女の質問に全て答えたのです。そうすることが正しいのだと私はわかっていました。なぜなら、私たちの民主主義は個人のエゴなどより遥かに大きなものだからです。相手のことがどんなに嫌いでも、違った結果になっていればとどんなに願っても、国に対する愛があれば選挙結果を尊重しなければなりません。大統領職は、個人や政党に属するものではないのです。個人的あるいは政治的利益のためにそういうフリをして、根拠のない陰謀論を弄ぶのは、国の健全性と安全を危険に陥れます。これはゲームではありません。だから私は全てのアメリカ国民、特に、政党を問わず国民のリーダーたちに、選挙プロセスを尊重し、歴史上の大統領が皆そうしてきたように、スムーズな政権移行を促すために自分ができることをするよう、強く求めます。」
このコメントを読みながら、ミシェル・オバマさんの言葉を重みをもって受け止めました。コロナの問題や、不安定な世界情勢のことを考える時、政権移行が速やかに行われることは、本当に大切なことだと思います。そんな中、混乱している大統領選挙が一日も早く落ち着くことを祈らされます。本日の箇所には、次のように記されています。
「神は時を移し、季節を変え/王を退け、王を立て/知者に知恵を、識者に知識を与えられる。」
本日の箇所を読みながら、「神は時を移し、季節を変え/王を退け、王を立て」という言葉が心に留まりました。そして、思ったのは、ミシェル・オバマさんの言葉でした。ミシェル・オバマさんは「私たちの民主主義は個人のエゴなどより遥かに大きなものだからです」と語りました。個々人の思いよりも大きなものがあるということを受け止め、そのことの前に、自分自身を退ける…。その姿勢は本当に大事なのではないかと思います。本日のダニエル書の御言葉もそのことを私たちに語りかけているのだと思います。絶対君主である王でさえ、季節が移り変われば、退き、変わっていくんだ…。そのことを知らされていく時、王でさえも、自分よりもはるかな大きな存在の前に身をかがめなければならないのだと思います。
私たち一人一人もそうなのだと思います。私たちというのは、しばしば自分が絶対であるかのようになってしまうことがあります。そういう頑なさが根の深いところにあるのではないでしょうか。自分自身のことを思う時、つくづくそんなふうに思います。そんな自分を思いながら、改めて、ミシェル・オバマさんのように「個人のエゴなどより遥かに大きなもの」の前に自分を退けること、本日のダニエル書の御言葉のように「王を退け、王を立て」と宣言される自分よりもはるかな大きな存在の前に身をかがめることの大切さを思いました。