本日のローズンゲンの御言葉です。
「平和を勧める人の心には喜びがある。」(箴言12:20)
「平和を実現する人々は、幸いである、/その人たちは神の子と呼ばれる。」(マタイ5:9)
本日の箇所には、次のように記されています。
「平和を実現する人々は、幸いである、/その人たちは神の子と呼ばれる。」
この御言葉は、有名な山上の説教の一節です。イエス様はここで八つの幸いについてお話になりました。その一つが本日の箇所です。私はこの箇所を読む時にいつも思うことがあります。イエス様の時代、人々の前には本当に生き方に迷っていた人たちがたくさんいたのではないでしょうか。「どのように生きればいいのか」「何が本当に価値ある人生なのか」「幸いに至る人生なのか」そういうことが分からず迷いながら生きていた人たちがたくさんいたんじゃないかと思います。
この時代、ローマ帝国が世界を支配していました。イスラエルもその属国となっていて、人々は抑圧され、苦しめられていました。中でもイエス様が伝道していたガリラヤは、田舎地方でたくさんの貧しい人たちが住んでいました。彼らは苦しい毎日の中で、あちこちに生き難さを感じながら生活していたんじゃないかと思うのです。みんな、毎日の重荷に疲れ果て、傷つき、心萎えてしまっていたのではないでしょうか。そんな人々の姿をご覧になりながら、人々の思いを受け止めながら、本当の価値のある生き方、幸いな生き方を指し示してくださったのだと思うのです。そして、それというのは、今の私たちにも呼びかけられているんじゃないかと思います。
6月2日のNHK総合の『おはよう日本』という番組で、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、若い世代の2割以上が気分が落ち込むなどの治療が必要な抑うつ状態と推定されると調査結果がまとまったとのニュースがされていました。徳島大学・山本哲也准教授のグループがインターネットを通じて調査したそうですが、ストレス状態と推定された割合も半数近くに上ったそうです。ニュースを聞きながら、改めて今の時代、たくさんの人たちが「生き方」に悩み、迷っているのではないかと思いました。様々な課題に取り囲まれ、生き難さを感じて暮らしている私たちがいます。そんな私たちにイエス様は本当に幸いな人生、喜びに至る人生とは何か、語りかけてくださっているのだということを覚えていたいと思います。