本日のローズンゲンの御言葉です。

「主よ、あなたをあがめます。あなたは敵を喜ばせることなく/わたしを引き上げてくださいました。」詩編30:2

「これは我らの神の憐れみの心による。この憐れみによって、/高い所からあけぼのの光が我らを訪れ、暗闇と死の陰に座している者たちを照らし、/我らの歩みを平和の道に導く。」ルカ1:78-79

12月26日に南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)政策に反対し、その功績でノーベル平和賞を受賞したデズモンド・ツツ元大主教が亡くなりました。90歳でした。南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は、ツツ氏は後世に「解放された南アフリカ」を残す手助けをしたと追悼しました。エリザベス英女王やバラク・オバマ元米大統領も追悼を寄せました。南アフリカでは、1948〜1991年、大多数の黒人の国民を少数の白人政府が治めるアパルトヘイト政策が敷かれていました。ツツ氏は、反アパルトヘイト指導者で同国初の黒人大統領となった故ネルソン・マンデラ氏と同世代で、同じくこの政策の廃止に尽力し、1984年にノーベル平和賞を授与された人物です。BBCニュースは、ツツ氏について次のような文章を載せています。

「南アフリカがたどった長く苦しい自由への旅路、そしてその先の道筋は、デズモンド・ツツ大主教なしには考えられない。多くの反アパルトヘイト指導者が殺害されたり、亡命を余儀なくされたり、投獄された中、この小柄だが反骨精神を持った聖公会の牧師は、常に現場にいた。現場から、アパルトヘイト国家の偽善を暴き、被害者をなぐさめ、解放運動の規範を問いただし、白人少数政権を孤立させるためもっと動くようよう西側諸国に迫った。アパルトヘイト政策を貫く政権を時には声高に、ナチスに例えることもあった。南アフリカに民主主義が訪れると、ツツ氏はその倫理的権威をもって、白人少数政権の犯罪を暴く真実和解委員会の委員長を務めた。後年になると、かつて解放運動を主導したANC政権にも、同じ鋭いまなざしを向けた。多くの南アフリカ国民が今日、ツツ氏が1人の人間として抱えていた勇気や、倫理的な怒りがいかに明瞭だったかを思い出すだろう。しかしツツ氏をよく知る人たちにとって、ツツ氏は一貫して、希望の声だった。そしてその希望、その楽観主義こそが、あの人の特徴だった。トレードマークの笑い声と合わせて、世界は今後そうやってデズモンド・ツツ大主教を記憶し、たたえていくのだろう。」

本日の箇所には、次のように記されています。

「これは我らの神の憐れみの心による。この憐れみによって、/高い所からあけぼのの光が我らを訪れ、暗闇と死の陰に座している者たちを照らし、/我らの歩みを平和の道に導く。」

本日の御言葉を読みながら、「我らの歩みを平和に導く」との御言葉が心に留まりました。そして、改めてツツ元大主教のことを思いました。ラマポーザ大統領は声明で、ツツ氏は「傑出した精神的指導者であり、反アパルトヘイト活動家であり、世界的な人権活動家だった」と語り、「比類のない愛国者だった。『行ないのない信仰はむなしい』という聖書の知見に意味を与えてくれた、信念と実践(じっせん)の人だった」と振り返りました。また、エリザベス女王は「たぐいまれなる知性と誠意、そしてアパルトヘイト勢力に対しては無敵の力の持ち主だった。その一方、抑圧された人、アパルトヘイトの不正義と暴力にさらされた人、そして世界中の抑圧の被害者には、優しい思いやりを抱き、共に嘆き、共感していた」と追悼の言葉を寄せました。これらの言葉を読むだけでも、ツツ氏がどれだけの大きな功績を残し、人々を平和の実践へと導いていったのかが分かるように思います。そして、そんなツツ氏の働きの中心にあったのは、信仰であり、聖書の御言葉でした。改めて、私たちの本当の平和は、主によって成し遂げられるんだということを思います。ツツ氏の働きを心に覚えつつ、南アフリカのために祈っていきたいと思います。

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