本日のローズンゲンの御言葉です。

「わたしはエフライムから戦車を/エルサレムから軍馬を絶つ。戦いの弓は絶たれ/諸国の民に平和が告げられる。彼の支配は海から海へ/大河から地の果てにまで及ぶ。」ゼカリヤ9:10

「このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました。こうして、天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまずき、」フィリピ2:9-10

ある時、一人の牧師からこんなメッセージをお聞きしました。数年前のクリスマスの頃のことです。その日、その牧師は一日色々なことがあり、悶々とした思いを抱えながら、沖縄に来ました。そして、沖縄の普天間基地の前で行なわれているゴスペルを歌う集いに参加したそうです。この集いは、沖縄のクリスチャンたちが基地問題に対して、ただ基地反対を訴えるだけでなく、ゴスペルを歌うことで自分たちの思いを分かってもらおうと始められている働きです。もう数年にわたって、続けられています。福岡でもその思いに連帯し、ゴスペルを歌う会が月に一度、行なされています。その牧師はせっかく沖縄に来たので、沖縄の人たちと一緒にゴスペルを歌うためにその集いに参加されたのでした。歌っている場所には基地前で目の前には大きな道路が通っています。目の前を車がドンドン通っていました。そこで一生懸命歌っていたのですが、目の前を通り過ぎる車を目にしながら、何か自分たちの賛美が暗闇の中に吸い込まれていくような思いになったそうです。そして、自分たちがこんなふうに集まっていること、声を挙げていること、賛美していることに本当に意味があるんだろうかと思ったりもしました。ですが、その一方で、不思議な思いも与えられ、歌っている讃美の歌詞の一言一言がより一層、心に迫って来たのだとそうです。そんな中、讃美を歌いながら、神様への思いが研ぎ澄まされていくようにも感じたそうです。そういう不思議な感覚で、その時を過ごしていたのですが、集会が終わりにさしかかった頃、沖縄の教会の牧師が報告の中で、こんなことを言ってこられたそうです。

「実は、今度、今回この賛美集会に参加してくれている中から、二人がバプテスマを受けることになったんです。」

そんなふうに言いながら、二人を紹介してくれました。その内の一人は小学生の子どもでした。沖縄の牧師は、その小学生についてのこんな証しをしてくれたそうです。その子がバプテスマを受けるにあたって、通っている教会の牧師から「イエス様ってどんな方?」と聞かれたそうです。すると、その子は「すでに世に勝っておられる方」と答えたということでした。牧師が驚いて、「そんなこと、どこで習ったの?」と聞いたそうです。すると、その子は「普天間ゲートの讃美歌でならったよ」と答えたのです。牧師はその証しに本当に教えられたとおっしゃっていました。普天間基地のゲート前で行なう讃美は、自分たちにしてみれば、自分たちの讃美が暗闇の中に吸い込まれていくような思いになりそうな、讃美していることが一体意味があるんだろうかと思ってしまいそうな、そんな讃美でした。ですが、その子にとっては、その讃美を通して、「イエス様がすでに世に勝っておられる」ということを学んだというのです。最後にその子と一緒に讃美をしました。牧師は、その子の讃美を聞きながら、それまで心の中で積み重なっていた悶々としていた思いが晴れるように感じたんだとおっしゃっていました。一つ一つの現実の問題を見ていく時、今でも、その課題の重さの大きさに押しつぶされてしまいそうになる…。だけれど、究極の課題、究極の勝利はすでに与えられている…。その子の証しや讃美を聞きながら、そのことを改めて教えられたんだとおっしゃっていました。このイエス様にちゃんと向き合っていこう…。そして、讃美をしていこうとおっしゃっていました。

本日の箇所には次のように記されています。

「このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました。こうして、天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまずき、」

この箇所は「キリスト賛歌」と呼ばれている箇所です。イエス・キリストは神の身分でありながら、私たち人間と同じ者となられ、しかも、最も小さい者と共に歩まれました。そして、十字架の死に至るまで向かわれたのです。しかしながら、そんなキリストがあらゆる名にまさる名を受ける勝利者となられたのです。本日の御言葉を読みながら、小学生が「普天間ゲートの讃美歌でキリストが勝利者とならったよ」という言葉を思い出しました。一つ一つの現実の問題を見ていく時、私たちは今でも、その課題の重さの大きさに押しつぶされてしまいそうになるかも知れません。しかし、共にその主を見上げながら、讃美を献げていきたいと思います。

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