本日のローズンゲンの御言葉です。

「あなたは大地を揺るがせ、打ち砕かれた。どうか砕かれたところを癒してください/大地は動揺しています。」詩編60:4

「しかし、イエスは艫の方で枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして、「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と言った。イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。」マルコ4:38-39

本日の箇所には、次のように記されています。

「あなたは大地を揺るがせ、打ち砕かれた。どうか砕かれたところを癒してください/大地は動揺しています。」

この御言葉を読みながら、「大地は動揺しています」との言葉が心に留まりました。何というのでしょう。大地というのは、どんなことがあっても揺るがないものなのではないでしょうか。しかし、そんな大地に対して、詩人は「大地は動揺しています」と語っているのです。その大地は打ち砕かれ、砕かれたところに関して癒される必要があることを語っているのです。大地でさえ、そのように動揺することがあり、砕かれた部分が癒される必要があるとするなら、私たちもなおさらそういうことがあるのではないでしょうか。

連続テレビ小説の「虎に翼」では、現在、新潟を舞台にしての物語が続いています。そんな中、主人公の寅子を始め、一人一人の心の様子が丁寧に描かれています。本日は同僚の裁判官、航一の心の痛みが描かれていました。普段はクールな印象の航一ですが、実はその心に決して癒されることのない深い痛みと負い目を抱えていることが明らかにされました。そんなふうに、私たちは周りからは見たら、まるで「揺るがない大地」のように見えていたとしても、実はその心の中に癒される必要のある部分を抱えながら、揺さぶられ続けている自分を抱えているということがあるのではないかと思うのです。寅子は航一の過去を聞いた後、「私もあなたの立場だったら、同じように自分を責めてしまうのだと思う。でも、だからこそ、その責めを自分だけで抱えることなく、一緒に背負わせてほしい」と語りました。

その台詞を聞きながら、イエス様はまさにそんなふうに私たちに語りかけてくださっているんだなと思います。それが「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」(マタイ11:28)の御言葉なんだなと思うのです。

様々な思いや痛みを抱え、歩んでいる私たちがいます。そんな私たちの思いを知ってくださり、私たちに寄りそい、私たちの抱えきれない重荷を共に担ってくださる方がおられることを覚えていたいと思います。この方を一人でも多くの人と分かち合うことができたらと思います。

鈴木牧人

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