本日のローズンゲンの御言葉です。

あなたを避けどころとする者は皆、喜び祝い/とこしえに喜び歌います。御名を愛する者はあなたに守られ/あなたによって喜び誇ります。詩5:12

あらゆる場合に神に仕える者としてその実を示しています。大いなる忍耐をもって、苦難、欠乏、行き詰まり、悲しんでいるようで、常に喜び、物乞いのようで、多くの人を富ませ、無一物のようで、すべてのものを所有しています。Ⅱコリ6:4,10

私が子どもの頃のことです。母親から教えてもらった児童向けの本があります。正確な題名は忘れてしまいましたが、確か『貝の涙』というような題名だったと思います。あらすじはこうです。一つの貝が海の中で生活しています。ですが、海の中は悲しいことがたくさんあります。貝は悲しい経験をする度に、自分の貝殻が削られたような痛みを通らされるのでした。そのような経験を度々させられ、貝には辛い経験ばかりなのですが、実はそのことを通して、貝は自分の中に美しい真珠を育んでいくというのです。とても美しいストーリーで、子どもながら感動したことを覚えています。そして、私たちの歩みには、私たちにとってこういうことがあるんだなと教えられました。私たちにとっては辛いこと、しんどいこと、傷つけられるようなことに思えてしまうのですが、実はそのようなことを通して、私たちの心の中にかけがえのない何かを育んでいく…。その人自身でも気づいていないのかも知れませんが、その人は痛みや傷を通して、他の人は持っていないような美しい真珠のような宝物を育んでいく…。そういうことがあるんだなと思うのです。本日の箇所には、次のように記されています。

「あらゆる場合に神に仕える者としてその実を示しています。大いなる忍耐をもって、苦難、欠乏、行き詰まり、悲しんでいるようで、常に喜び、物乞いのようで、多くの人を富ませ、無一物のようで、すべてのものを所有しています。」

ここには、「神に仕える者の実」が語られています。その人は「行き詰まり、悲しんでいるようで、常に喜び、物乞いのようで、多くの人を富ませ、無一物のようで、すべてのものを所有してい」るということです。実に不思議な御言葉だなと思います。そんな中、ふと小さい頃に読んだ『貝の涙』のことを思いました。この人は現実の歩みとして、行き詰まったり、悲しんだり、貧しさに苦しんでいたりしているのだろうなと思います。しかしながら、そのような経験を通して、その人自身でも気づかないようなものを育みながら、悲しみの中にあって、喜びに生かされ、貧しさの中にあって、多くの者たちを富ませるような豊かさに生きているのです。そして、そのような歩みがあるんだなということを実際の歩みの中で教えてくださったのが、イエス様なのではないかと思いました。ベツレヘムの家畜小屋に生まれ、貧しい人たちの傍らで、御自身もお腹を空かせたり、苦しみを経験したりしました。しかし、その中にあって、私たちに変わることのない喜び、何ものにも代えられない豊かさがあることを教えてくださったのです。クリスマスを通して、そのようなイエス様の喜び、豊かさに思いを向けることができたらと思います。

 鈴木牧人

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