本日のローズンゲンの御言葉です。

「しかし、あなたが変わることはありません。あなたの歳月は終ることがありません。」詩編102:28

「ヨハネからアジア州にある七つの教会へ。今おられ、かつておられ、やがて来られる方から、また、玉座の前におられる七つの霊から、更に、証人、誠実な方、死者の中から最初に復活した方、地上の王たちの支配者、イエス・キリストから恵みと平和があなたがたにあるように。わたしたちを愛し、御自分の血によって罪から解放してくださった方に、」黙示録1:4

昨日、福岡地方連合女性会の隔年総会が行なわれました。総会の開会礼拝でお話ししてくださったのは、古賀教会の泉先生でした。泉先生はメッセージの冒頭、次のようなお話をされていました。

「イソップ童話の『うさぎとカメ』という話があります。うさぎとカメが競争をし、ゴール間際でうさぎが勝利を確信し、居眠りしてしまったところ、その間にカメが勝利をしたという有名な話です。この話について、ある人がこんな質問をしていました。『あの時、うさぎは何を見て走っていたのだろうか。カメは何を見て走っていたのだろうか。』考えたこともない質問です。その人はこのように語りました。『うさぎは、カメを見ていた。カメはゴールを見ていた。うさぎはカメばかりを気にして、カメとの比較で歩んでいた。これに対して、カメは常にゴールを見据え、自分がなすべきことをしていた。』カメの生き方は実にすがすがしいのではないでしょうか。」

お話を聞きながら、これまで何度も聞いてきた「うさぎとカメ」の物語から、新しい視点が与えられる思いがしました。本日の箇所には次のように記されています。

「しかし、あなたが変わることはありません。あなたの歳月は終ることがありません。」

この御言葉は、詩編102篇の一節です。詩編102篇は冒頭に「祈り。心挫けて、主の御前に思いを注ぎ出す貧しい人の詩」と表題が書かれています。この表題にあるように、この詩人は、心挫ける思いの中、自分の思いを注ぎ出すように祈っているのだと思います。その詩には、自分は今、食べている食物はパンではなく、灰であり、飲み物には常に涙が混じっていると語られています。そのような悲しみ、心痛めている状況の中で、希望として主を見上げながら語っているのが本日の箇所です。「どのような時にあっても、主よ、あなたは変わることはありません」ということが詩人にとっての何よりの慰めであり、希望なのです。この詩人の言葉を読みながら、昨日、泉先生からお聞きした「うさぎとカメ」の話を思い出しました。周りばかりを見て、その比較で歩んでいる「うさぎ」と、変わらないものを見つめ続けながら、自分のなすべきことを一つ一つしている「カメ」…。うさぎに比べて、カメの足取りは本当に遅いですが、着実に前へと進んでいき、最後に勝利をしました。この詩人も、周りの人たちに苦しめられ、心挫けそうになっていましたが、それでも変わらないものを見つめ続けながら、前に進もうとしていきました。それが本日の箇所には表されているのだと思います。私たちの大切な姿が、この詩人の姿、そして、カメの姿には表されているのではないかと思います。

鈴木牧人

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