本日のローズンゲンの御言葉です。
「また、わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる。わたしはお前たちを自分の土地に住まわせる。そのとき、お前たちは主であるわたしがこれを語り、行ったことを知るようになる」と主は言われる。エゼ37:14
ここでいう主とは、“霊”のことですが、主の霊のおられるところに自由があります。Ⅱコリ3:17
日曜日の礼拝で、マンゴーにまつわるアフリカのことわざを紹介しました。アフリカには、次のようなことわざがあるそうです。
「一個のマンゴーの中にある種は数えることができる。しかし、一粒の種の中にあるマンゴーは数えることができない。」
マンゴーを剥いて食べたことがある人は分かると思いますが、マンゴーには、一個の果実に種が一個しかありません。ですから、「一個のマンゴーの中にある種は一個だ」と誰でも数えることができます。ですが、一個のマンゴから取り出した種を土に植えた後、そのマンゴの種から芽が出て、木となり、やがて、実がなっていった時、その数は数えることができません。それゆえ、「一粒の種の中にあるマンゴーは数えることができない」と言われているのです。このことわざは、「私たちの目の前に見えることだけが全てではなく、目には見えない真実があるんだ」ということを教えてくれる言葉なのではないでしょうか。一個のマンゴーの中にある種は、そのマンゴーをその場で剥いて、種を取り出せば、その場で、すぐに確認することができます。しかし、その種を開いたところで、マンゴの実が出てきません。ですが、その種の内に確かな命を秘めていることを信じ、種を土に植え、その種が成長するのを忍耐をもって待ち続け、育んでいく時、種の中に秘められた命の確かさを知ることができるのです。私たちが招かれている信仰の世界は、そのような世界です。聖書の御言葉のことを、目の前の現実だけに当てはめて考える時、「聖書の御言葉が言っていることは本当？」と思ってしまうことがあるかも知れません。それというのは、マンゴーの種の中身をほじくり返して、「こんな種の中にマンゴーなんてないじゃないか」と言っていることと同じなのだと思います。たとえ今、確かめられないとしても、御言葉を信じ、その御言葉に応えて歩み出そうとしていく時、その御言葉のうちに秘められた命と確かさを知らされていくのです。信じたからこそ、知ること、分かることがあるのです。
本日の箇所には、次のように記されています。
「『また、わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる。わたしはお前たちを自分の土地に住まわせる。そのとき、お前たちは主であるわたしがこれを語り、行ったことを知るようになる』と主は言われる。」
本日の御言葉を読みながら、「お前たちは主であるわたしがこれを語り、行ったことを知るようになる」との言葉が心に留まりました。そして、改めて、「私たちの目の前に見えることだけが全てではなく、目には見えない真実があるんだ」ということを思わされました。エゼキエルがこの言葉を語った当初は、神様のおっしゃったことが本当か確かめる術はなかったのだと思いますが、実際に御言葉の通りに、人々が主によって生きるようになり、自分たちの土地に住むことができるようになった時、人々は「神様のおっしゃったことは本当だ」「この方こそが主なんだ」ということを知らされていったんだと思うのです。改めて、私たちの信仰の歩みは、「信じたからこそ、知ること、分かることがある」ということを思わされました。
鈴木牧人